手を触れてよろしいですかそこにいますか
5月が終わる。
爽やかな季節でした。
好きな人が恋人になって、全く実感のないまま、のんのんと日々を過ごしています。
どこで出会ったとか、相手の属性とか、相手の見た目とか、全部どーーでもよくなって、
もっと深いところにある、
触ってみないとわからない部分、
撫でさすりしてみないとわからない部分、
そういう場所に愛しさや切なさを感じる、
それが付き合うということなのかと、まあ何言ってるか私もよくわからないですが、そんな感じで手探りで進んでいます。
私にもまだまだ課題があって、それを乗り越えるのに、何年かかるのだろうと思う
それまでずっと恋人には迷惑をかけっぱなしなのだろうと思う
でも、迷惑をかけ合うのが恋人なのかもしれないって、相手の言葉で気づいたりもしました。
今までずっと誰にも愛されてこなかったから、
自分が何を言っても、何をしても、愛をもって受容されるという感覚に慣れなくて
人間だから恒常性がはたらいたりして、
慣れない感覚を放棄して何も無かった頃のままのように、最初は過ごしていましたが、
何かが起こる時はいつも突然で、
突然、愛し愛される心地良さがシャワーのように浴びせられ
もうそこから抜け出せなくなってしまったとさ。
しかしいつかはそれがなくなる日が来るので、
なくなっても大丈夫なように、一人で生きていけるようにと、心のどこかで相手を突き放す自分もいます。
まだこの関係が始まって間もないのに、もう最後の心配をしている。
でも、これは本当に本当の本音なんだけど、
私は別に不幸になってもいいです。
この関係が終わる時に、この関係が終わることが相手の望みであるなら私は黙って身を引きます。自分はいくら不幸になってもいいんです。
でも、恋人が不幸になることだけは絶対に嫌です。
まあ私がなんらかの事情で別れを告げることもあるかもしれないけど、それによって相手が不幸になることは絶対に嫌。それは不可能かな。でもそこでプツンと糸が切れるるように私たちの思い出が止まって、そこから先、相手の人生に関与する権利がなくなっても、一生、死ぬまで、幸せでいてほしいと心から思います。私が死ぬ時に、その人以上に愛する人ができていたとしても、やっぱり思い出して、私を愛してくれてありがとう、私を私にしてくれてありがとうと思うと確信しています。
たぶんね。
愛をどういう形で返したらいいのかもよくわからないけど、
とりあえず、頑張ってみようと思う。
さよなら5月、
おはよう6月。
手を触れてよろしいですか撫でさすりしてよろしいですかそこにいますか
(早坂類)
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